直木賞受賞後第一作 渾身の書き下ろし長篇。 小さな幸せが暮らしの糧になる。
当代一の人気作家・曲亭(滝沢)馬琴の息子に嫁いだお路。 作家の深い業にふり回されながらも己の道を切り開いていく。
横暴な舅(しゅうと)、病持ち・癇癪(かんしゃく)持ちの夫と姑(しゅうとめ)…… 修羅の家で見つけたお路の幸せとは?
「似たような日々の中に、小さな楽しみを見つける、それが大事です。 今日は煮物がよくできたとか、今年は柿の木がたんと実をつけたとか……。 そうそう、お幸(さち)が今日、初めて笑ったのですよ」(本文より)
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