今川家御一家衆・関口氏純の娘で、従属国衆・松平元信(徳川家康)の最初の妻・築山殿。 今川家との敵対による互いの立場の逆転と、長年にわたる別居状態にともなう信頼関係の希薄化から、嫡男・信康に対する思いを強くしていくが、二つの事件によって、終幕を迎える……。 信頼に足る後世史料を丹念に読み解き、信康「逆心」事件の実態と築山殿の死の真相を探る。
◎目次 はじめに 第一章 築山殿の系譜と結婚 第二章 駿府から岡崎へ 第三章 家康との別居 第四章 岡崎城主・信康 第五章 信康事件と築山殿の死去 あとがき 主要参考文献
◎著者紹介 黒田基樹(くろだ もとき) 1965年生まれ。早稲田大学教育学部社会科地理歴史専修卒業。博士(日本史学)。専門は日本中世史。現在、駿河台大学教授。著書に『下剋上』(講談社現代新書)、『戦国大名の危機管理』(角川ソフィア文庫)、『百姓から見た戦国大名』(ちくま新書)、『戦国北条五代』(星海社新書)、『戦国大名北条氏の領国支配』(岩田書院)、『中近世移行期の大名権力と村落』(校倉書房)、『戦国大名』『戦国北条家の判子行政』『国衆』(以上、平凡社新書)、編著に『北条氏年表』(高志書院)、『鎌倉府発給文書の研究』(戎光祥出版)、監修に『戦国大名』(平凡社別冊太陽)など多数。
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