第2期【白の闇】篇刊行。 堂々のシリーズ完結! 大好評シリーズ「アルケミスト双書」、 『闇の西洋絵画史』篇、全10巻がついに完成!! 西洋美術の「闇」の側面を浮かび上がらせる、 妖しくも美しい西洋絵画史シリーズ(フルカラー)。
著者は編集者で評論家の〈山田五郎〉。
■著者・山田五郎より 西洋絵画には、 教科書には載せられない「影の名画」もあれば、 逆によく見る名画に「影の意味」が 隠されていることもあります。けれども、 今日の感覚では不健全と思える表現や寓意も、 描かれた背景を知れば納得でき、 見え方が変わってくるはずです。 西洋絵画の本質は、 その最大の特徴である陰影法と同様に、 光のあたる表面だけではなく 闇の側面も見ることで、はじめて立体的に 浮かび上がってくるのではないでしょうか。
■本シリーズの特徴 ・1冊1テーマを詳説 ・類をみないユニークな切り口 ・1冊あたり約70作品を掲載 ・コンパクトで瀟洒な造本 ・本物の美術の教養に ・ゲームや漫画他、創作のための資料としても
■シリーズ *第2期:【白の闇】篇 〈6〉天使 〈7〉美童 〈8〉聖獣 〈9〉楼閣 〈10〉殉教
*第1期:【黒の闇】篇 〈1〉悪魔 〈2〉魔性 〈3〉怪物 〈4〉髑髏 〈5〉横死
■まえがき(〈7〉美童) 古代ギリシャの哲学者プラトンは、 肉体的な愛より精神的な愛の方がレベルが高く、 さらに高度なのは特定の人間の美しさではなく 普遍的な美の概念を愛することだと説きました。 彼らが美童を愛した理由のひとつはここにあります。 魔性の女の美が「性の過剰」なら、 美童の美は「性の欠如」。 肉体的な愛の対象になりにくい分、 精神的な愛を注ぎやすいのです。 女性が美童を愛する場合も同じ。 精神的な少年愛に男女差はありません。 とはいえ、猿楽の大成者・世阿弥が看破したように、 美童の美しさは「時分の花」。 成熟しても年老いても変わらず残る普遍的な美こそが 「まことの花」と知るべきでしょう。
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