本書は『Notre Pere(主の祈り)』『Je vous salueMarie(天使祝詞)』(ともに未邦訳)に続き、マルコ・ポッツァ師によって行われた教皇フランシスコへのインタビュー記録集三部作の一冊である。「『使徒信条』の各段落の要点ごとに精密な註釈として提示したいとは思いません」(「序文」)と語る教皇フランシスコは、自らの司牧経験で得た信念をもって、あらゆるイメージを巧みに用いて「使徒信条」の奥深い意味を伸びやかに伝えていく。彼の語る才気に満ちた言葉は、現代社会の中で受肉した神に出会う道を教え、人生の困難に立ち向かうための希望の在り処を示してくれるだろう。 聞き手であるマルコ・ポッツァ師はイタリアのパドヴァの教区司祭であり、青少年司牧に携わりながら同地の刑務所の指導司祭として受刑者たちの霊的指導に挺身している。文学と哲学や神学などを結びつけて考察することにも秀で、その経験は本書の第二部に収載されている「随想」にも結晶化されている。
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