くるみの森にすむりすねえさんとなかまたちの、なんでもない日のとびきりの時間。
本を開くとまず登場する「くるみの森のちず」。動物たちが住む家や、とんぼ池、きのこの丘、サキッチョ山など、豊かな自然がいっぱいの森の景色が伝わってきます。くるみの森では、いったいどんな毎日が繰り広げられているのでしょう。
「もうダメだ……」 楽しみにしていた音楽会のチケットをなくしてしまったりすねえさん。どこを探しても見つかりません。ともだちのエナガのアドバイスで、よくたからものを隠している土のなかを探してみると……。 ―『りすねえさんのさがしもの』
商売を始めるといういとこのりすおが見せてくれたのは、親戚のりすおじさんとりすおばさんの大そうじで出てきたたくさんのものたち。その中に思いがけずおばあちゃんのケープコートを見つけて……。それはりすねえさんにも、りすおにも、とても思い出深いものでした。 ―『りすねえさんとおばあちゃんのケープコート』
秋を感じながら木の実を拾っていたりすねえさんのところへ、いつも旅をしている絵描きのタビーがやってきます。そこにひめねずみのちびたも加わって、タビーの絵を見ながら、旅についてそれぞれに思いをめぐらせます。 ―『りすねえさんと絵かきのタビー』
りすねえさんと、気のおけないなかまたちとの楽しい交流のお話を3編収録。「りすねえさんのおはなし」シリーズ最初のお話です。悲しんだり、ワクワクしたり、ほっこりしたり、感情豊かなりすねえさんの様子に、読んでいると気持ちを動かされる楽しさがあります。
お話を書かれたのは、児童文学作家の大久保雨咲さん。なくしてしまったチケットの音楽会の名前が「さすらいのカルテット」という名前だったり、地面を掘って出てきた自作の詩を慌てて隠したり……ところどころにユーモアが散りばめられていてくすりとしてしまう楽しさ。またすべてのページに入っている挿絵も本作品の大きな魅力。くるみの森の自然の情景の美しさや、登場人物(動物)たちの毛並みのふさふさ感、りすねえさんの部屋の様子など、かじりみな子さんの挿絵がとっても贅沢なんです。からまつの木のあなの中で暮らしているというりすねえさんの家の場所もとっても魅力的。すみずみまでじっくりと眺めて楽しんでみてくださいね。
ひとりで読むなら小学2年生ぐらいから。読み聞かせなら5歳ぐらいからおすすめです。 大人の方が読んでも味わい深い魅力がいっぱい。幅広い年代の方に楽しんでいただきたい童話です。
(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)
○●○くるみの森からお届けする、りすねえさんとなかまたちの物語○●○
いったい、どこにいってしまったんだ? 大切なチケット!
あしたは、たのしみにしている音楽会。なのに、りすねえさんはその大切なチケットをなくしてしまいました。部屋中どこをさがしても、みつかりません。そこへ、ともだちのエナガがやってきて――。 表題作「りすねえさんのさがしもの」のほか、「りすねえさんとおばあちゃんのケープコート」「りすねえさんと絵かきのタビー」の二作と、各話にちなんだ漫画も収録!
○ユーモラスな読み物が3編に、漫画も収録。 ○全ての見開きにキュートなイラスト。 ○読み聞かせでも、ひとり読みでも。プレゼントにも最適!
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