革命政府に対するヴァンデ地方の民衆蜂起は、大量殺戮をもって弾圧された。彼らは何を目的に行動したか。凄惨な内戦の実態を克明に描く。解説 福井憲彦
=== 「自由・平等・友愛」を掲げて行われたフランス革命。その革命政府によって課された重税、徴兵令や、カトリック教会への抑圧などに反発して起こったフランス西部・ヴァンデ地方の民衆蜂起は、「カトリック王党軍」という反乱軍を組織して、共和軍との数年に及ぶ内戦へと突入した。革命政府は、ヴァンデ地方での無差別の大量殺戮をもってこれを弾圧し、1793年から96年にかけて革命の名の下に数十万の民衆が犠牲となる。ヴァンデの人々はフランス革命をどう捉え、何を目的に行動したか。史料に基づいて、「後進地域の狂信的民衆による反革命蜂起」とみなされてきた戦争の実態を克明に描く。 解説 福井憲彦 ===
「自由・平等・友愛」の名の下に、 数十万の民衆が犠牲となった―― 苛烈な〈内戦〉の実態 ===
【目次】 T つくられたイメージ U 革命への期待と願望 V 急旋回――抵抗の原因をめぐって W 怒濤のごとく X 連戦連勝 Y 民衆の組織・論理と感性 Z 防衛戦への転化 [ 西北西の風に抗して \ 処刑と虐殺 ] その後のヴァンデ
おわりに 文庫版解説 地を這うように歴史を見つめ、今とこれからを考えたい(福井憲彦) 参考文献 ヴァンデ戦争史年表 人名・地名索引
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