小説を書くことに翻弄される二人の女。 どうしようもなく背負ってしまう因果。 無傷ではいられないのに、 それでも私は書き続けるのだ、 という覚悟。 そのすべてを封じ込めた物語を チレンさんは書いてしまった。
――――窪美澄(作家)
彼女は己の何もかもを削ぎ落しながら、 美しく繊細な物語を紡ぐ。 そうして生まれた作品は眩いばかりの光を放ち、 同時に深い闇を孕む。 この作品は、まさしく木爾チレンそのものだ。 ――――町田そのこ(作家)
窪美澄さん、町田そのこさんも激賞!!
一気読み必至!! 2023年の大本命!!
最旬にして俊豪・木爾チレンの真骨頂、 深き心の闇に愛憎蠢くヒューマンミステリー!!
女にだけわかる、狂気。 過剰な嫉妬は、やがて強大な殺意へ…。
若くして小説家デビューを果たし、その美貌と才能で一躍人気作家となった東山冴理。 しかし冴理は人気絶頂のさなか、突然、筆を断った――。 やがて三十年の時が経ち、冴理のもとに、ひとりの女性編集者が執筆依頼に訪れる。 「私には書く権利がないの」そう断る冴理に、 「それは三十年前??白川天音先生が亡くなったことに関係があるのでしょうか」編集者は問う。 「あなたは、誰かを殺したいと思うほどの絶望を味わったことってあるかしら」 ――そして、この時を待っていたというように、冴理は語り始める。 高校文芸部の後輩、白川天音が「天才小説家」として目の前に現れてから、 全ての運命の歯車が狂ってしまった過去と、その真実を……。
希望と絶望、 羨望と嫉妬…… これは、ふたりの女性作家が、才能を強く信じて生きた物語。
すべてを読み終えたあと、 あなたはタイトルに託された切ない意味≠知り、 ぎゅっと、胸を締め付けられる。
ヒット作『みんな蛍を殺したかった』の俊英女性作家による、 1年ぶりの書き下ろし長編小説。
満を持して、待望の最高傑作、降臨!!
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