毛がもじゃもじゃの大きなクモが、住むところにぴったりだと見つけたのは、ベティおばさんの大きな古い家。古めかしいソファーの下の薄暗い場所に糸をかけ、眠ります。ところが、次の日の朝。
「なにかしら、これ? こネコみたいよ!」
目が覚めるとクモはベティおばさんの手の上に。ずっと仔猫が欲しいと思っていたおばさんに、クモはルイージと名付けられ、ネコとして飼われることになったのです。朝ごはんを用意してもらい、おもちゃで遊び、おばさんと一緒に映画を見て。
最初はとまどっていたけれど、ネコになるのも悪くない気がしてきたルイージは、ネコらしくがんばるようになっていきます。ところがある日……。
『としょかんライオン』の作・絵コンビによる、17年ぶりの新作絵本の主人公は、毛がもじゃもじゃのクモと、一人で暮らすおばさん。少しずつ心を通わせていき、お互いがお互いのことを喜ばせようとするうちに起こる小さな事件。喜びと悲しみの間で揺れ動く二人の気持ちが丁寧に描き出され、気がつけば、私たちはすっかり愛らしいルイージの虜に。
「そのままの あなたが すきなの」
そんな声をかけたくなってしまう、心あたたまるおはなしです。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
仔猫がほしいと思っていたベティおばさんの家に入りこんだクモ。 ルイージと名づけられ、おばさんがのぞんでいたネコになりきっていました。ところがある日…。
『としょかんライオン』の作・絵コンビによる、17年ぶりの新作! 毛がもじゃもじゃの大きなクモと、大きい家にひとりでくらしているベティおばさんの、 心があったかくなるおはなしです。
タイトルからは、どういう意味だろう?と不思議な気持ちしか感じませんでしたが、読み終わる時にはとても心が温かくなりました。ネコであれば愛されると思うクモ、けれど、そうじゃなくてあなたそのままでいい、と言われたとき、ああ、こうして誰かにそのままを受け入れられることって素敵だなと思いました。 (ままmamaママさん 40代・ママ 女の子12歳、女の子8歳、男の子6歳、女の子3歳)
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