
自分のことをぼんやりしている、というねずみ。 なにをやるにも遅くて、やりたいこともよくわかりません。
ある日素敵な絵を見たら、絵が描きたい!と思ったので描いてみます。 でも自分よりも上手に絵を描く人がたくさんいることを知り、描くのをやめてしまいます。 つぎに素敵な物語を読んで、ぼくも書いてみよう!と思います。 でも素敵な物語ももうたくさんあると考えて、書くのをやめてしまうのです。
やることがなくなってしまったねずみは、自分の居場所を求めて旅に出ます。 そこでねずみが出会ったのは……?
なにかやり始めてみた時に、もっと上手な人がたくさんいるのを知って、やる気がなくなってしまう、 そんなねずみの気持ち、よく分かります。 でもそれでも旅に出て居場所を追い求めるねずみは、いつだって一生懸命。 それはねずみの目を見ていると伝わってくるのです。
「おーい ぼくはここにいるよ!」 自分の居場所はどこにあるのか。自分は自分しかいないという存在の大切さについて。 ふと立ち止まってしまった時にも、優しく背中を押してくれるような一冊です。
(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)

やりたいことがよくわからないぼくは とりあえず旅にでることにしたんだ。 旅で何かみつかるかなぁ。
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