トーマスは家族と食事をしています。青いテーブルクロスに白いお皿が並び、次々に料理が運ばれてくる大きな食卓には様々な色の服を着ている家族たちがぐるりと囲んで……あれ、トーマスから見る食卓の景色は、色がちょっと違うみたい? トーマスは他の人と色の見え方が違う(色覚異常)の男の子なのです。でも、自分ではあまり変だとは感じない。だったら。
「みんなは、まわりがどんなふうに見えてるんだろう!」
まだ小さい弟には食卓の上にあるものなんでも大きく見えるだろうし、科学者のママの見方はやはり科学的なのかもしれない。画家のマルタおばさんから見た食卓は? パパにはどう見えてる? 犬のオレオには?
同じ場所にいても、一緒に話していても、見ているものやその見え方はまったく違う!? これには、びっくり! 人はみんな「目に見えないメガネ」をかけているのかもしれません。
2023年にスペインで出版された『I tu,com ho veus?』(英題:『EYE OF THE BEHOLDER』)の日本語版。一人ずつそれぞれの見え方を想像することが、こんなに豊かな世界との出会いになるなんて。視覚から考える多様性と他者理解。とても個性的で先鋭的でワクワクする絵本です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
科学者のママ、ゲーム好きのパパ、音楽家のおじさん…同じ場にいても、見ているもの、その見え方は全く違う。食卓を囲む家族の異なる世界を描く、多様性と共感について知るユニークな絵本。
タイトルが気になり、手に取りました。
表紙の見返し部分からもうおはなしが始まっていました。
「テーブルの用意をしてちょうだい」と言われたトーマス。テーブルに大家族の面々たちが集まってきます。
色覚異常のおはなしでしたが、それにとどまらず、個性があることは当然と思わせてもらえる深いお話でした。
おしゃれなイラストで語られているので、大人も楽しめます。 (クッチーナママさん 40代・ママ 女の子20歳、女の子17歳、男の子15歳)
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