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著者の少年時代の想い出と絵のふるさとを生き生きと描く一冊。
田島征三、田島征彦の絵本が好きな人には必読書のようなお薦め本です。
双子の弟の征三さんが少年時代を過ごした四国の生活を語っているのですが、征三さんの絵本の原風景を見ることができます。
劣等生で悪ガキで、虐げられた生活の中で野性的に過ごした田園風景。
誇張されているところは差し引くとしても、野山で過ごした信じられないような生活が、征三さんの絵本で活かされていることを知りました。
兄でありながら弟に主導権を取られていた形の征彦さん。
後書きで登場していますが、この話が二人に共通した原風景なのだと感じました。
人の苦労話を娯楽的に読んではいけないのかもしれませんが、とにかく読んでいてハラハラドキドキ、楽しめます。
二人は本当に仲が良くて、いつも一緒だったのですね。
文中に挿絵や写真が出てきます。
写真に写った兄弟は、征三さんをしてどちらが自分か解らないとのことです。
表紙となった絵は印象的。
原風景の中でお母さんの存在感が、風景と同化して描かれています。 (ヒラP21さん 50代・パパ 男の子14歳)
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