エミールはひとりでベルリンのおばあさんの家へ行く途中、汽車の中でお金をぬすまれます。おかあさんが働いて貯めた大切なお金でした。エミールは、怪しい山高帽の男を追跡します。
子どもの頃にも読んだことがある本で、息子にいつ読み聞かせをするか待っていた本でもあります。
ケストナーは最初にケストナーらしい前文が入るので、それがどうかな?と思いましたが、そこでつまづくこともなく、物語の世界へ入っていけました。
その前に同じような探偵物の『オタバリの少年探偵たち』を読み聞かせしていたのですが、
息子が言うには「オタバリは友だちが泥棒と戦うけど、エミールは知らない子たちとだよ」だそうです。
何かの本でこのエミールはケストナーの子ども時代が投影されているということを読んだことがあますが、貧しい生活の中、エミールが母を思うその心情がとてもいじらしく思いました。
ケストナーの言葉の中で好きなのは「大切なことは、自分自身の子どものころと破戒されることのない接触を持ち続けること」という言葉。
訳者のあとがきにも子どもたちにどんな思いを伝えたかったということが描かれていますが、大人になってまた読み返してみてもやっぱりケストナーっていいなあって思いました。
今度は『飛ぶ教室』を息子と共に楽しめたらと思います。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子10歳)
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