ママがぼくらの野球チームの監督になったおかげで、ぼくのプライバシーはすっかり侵害されてしまった……。12歳の少年マークの目を通して、家族や友人たちとの日常をユーモラスに描く。
『クローディアの秘密』を楽しんでいたので、今度は野球が出てくるこのお話ばどうかな?と思い読み聞かせ。
ユダヤ人系家庭のお話なので、風習や行事などは所々説明を交えながら読み聞かせをしました。
途中で息子に感想を聞いたところ「まだわかんないけど、カッレくんも途中からおもしろくなったから」と。
岩波少年文庫というのか、今時の本でないものについては描写が長いことも子どもにとっては周知の事実になってきたようでした。ある一定のページまで読み進めるとそこからさらにおもしろくなるというのが、共通の特徴かもしれません。
私はというと、主人公の12歳のぼくというよりは、監督になったお母さんの方に感情移入をしながら読みました。
大学生の兄・スペンサーに反抗的な態度をとられて自分の生き方を見つめざるを得なくなった母親の姿。
文章中に出てくる会話はとてもいきいきとしているし、丁寧な心理描写にも、「なるほど」とか「そうだよね」と思えるものが多くて、読み進むうちに「ここはわかる」というところには付箋がどんどんと増えていきました。
隠しごとがばれた時の母の毅然とした態度は見習いたいと思いましたし、思春期の子どもの気持ちがわからない時には、この本を読めばいいのではと思えるほど。
やっぱりカニグズバーグはいいなあと思いました。大人、子どもと共に楽しめると思います。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子10歳)
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