ある冬の日の夕方。お留守番をしている女の子は、くもった窓にお月様の絵を描いていました。するとそのお月様の絵の中に、お母さんの姿が小さく見えて……! 詩と絵がとけあう絵本。
・訳/谷川俊太郎さんからのメッセージ
ぼくはひとりっ子のお母さん子で、お母さんのかえりがおそいと、ひとりでしくしく泣いているような子でしたから、このえほんに出てくる女の子の気もちはよくわかります。 みちのむこうからこっちへあるいてくるお母さんをみつけて、この子はわくわくしてるんです。ふゆのゆうがたって、なんだかこころぼそいんですよね。ゆきがふっていたりするとよけいね。そとはさむい、でもうちの中はあったかい。だからがらすまどがくもっています。ひとりはさむい、でもお母さんはあったかい。だからこころの中がふゆなのになつになります。そしていつのまにか、ゆきはほしになって、きらきらかがやいています。くるまがいっぱいはしっている大きなまちなのに、このえほんの中はしずかです。
冬の夕方、お留守番をしている女の子がお母さんの帰りを待っています。
まだかな?もう見えるかな?
窓に顔をくっつけるように、のぞいています。
外は寒いので、窓はくもっています。
女の子はゆびで月を描きました。
すると、月の中にお母さんの姿が見えました!
女の子は嬉しくなり、お母さんと想像の世界で遊びます。
お母さんの帰りを待ちわびる子どもの心情が伝わってきます。
くもった窓を通して見ることで、幻想的です。
息子を留守番させている身としては、今すぐ走って帰りたくなります。
暖かい部屋で、子どもを抱きしめたくなる絵本です。 (ちゅら。さん 40代・ママ 男の子13歳)
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