現代でいうスパイや特殊部隊のような仕事をしていた忍者。でもいったい,どういう人が,どうやって任務を遂行していたのか?
【内容】
其の一「忍者の心得」、其の仁「忍び装束」、其の参「手裏剣」…。忍者の道具や術を漫画で紹介。舞台は忍者の隠れ里にある「いが栗小学校」。忍術専門教師の与太郎先生が、3人の愛弟子たちに忍術指導する、実用的ギャグマンガ。巻末には作者の素敵な後書き付き。
漫画・文:豊川 豊
【感想】
変な派手な演出で誤解されまくっている「忍者」。特に外国人に大人気だそうで、先日などは「高級優遇で忍者のアルバイトを募集中」というフェイクニュースまで流れた。(2018年7月ごろ。海外からの問合せが殺到したという、某・忍者の郷)
しかし、現実の忍者は地味。辛い。汚い。キツイ。身分は最低。命がいくつあっても足らない…等々、ブラック企業など鼻で笑っちゃう「待遇」だったそうな。
壮大な夢とロマンと、派手なアクションと、異性にモテて、ご機嫌な暮らしができると思っていた人たちには悪いけど、現実は「特殊部隊の工作員」「スパイ」なので、仕方ない。そんな現実的な事実を、ギャグで笑いながら理解し、かつ、現代社会にも応用できるような(応用したら友達なくすかも…)軽快な作品。欄外には用語解説などもあり、読みながら軽い歴史の勉強(豆知識)も身に付き、現実のお仕事の厳しさもなんとなく理解できるというスグレモノ。
戦国時代、人々はどうやって生き残ってきたのか?どうやって相手の情報を得て、自分たちに有利になるようにしたのか、危険な場面でどのように身を守り、逃げ切ったのか…など。忍者は大変だった。スマホもない時代、どうやって秘密情報のやり取りをしたのか?インターネットどころか、郵便配達もないというのに…
もし、現代に(まもともな)忍者がいたとしたら、職場で大助かりかもしれない。でも、ライバル企業のスパイで入社してきたら怖いな。忍術は魔法ではなく、現実的な、科学や心理を応用したものだったことが、よくわかる。
将来忍者になりたい人は、まずこの本から読んで進路を考えて欲しい。 (渡”邉恵’里’さん 30代・その他の方 )
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