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右の耳が半分ちぎれて、金色の目がぴかっと光る黒ネコのツキノワ。タワシのような太いしっぽをピンと立てて歩く姿を追ってゆくと…。タンポポが一面に咲く空地で、真由子は、黒いワンピースを着た不思議な女の子・小原さんに出会った。ふてぶてしいツキノワとみもふたもないほど愛想のない小原さん、真由子は友だちになれる?
1ぴきのノラネコを通して、築かれていく真由子と小原さんの友情の純粋さを微笑ましく思いました。
子どもらしいって、小学校時代の特権ですね。
一方で、ノラネコツキノワの野性描写にはうなりました。近くの公園で、日頃はのんびりとしているような猫が、大石に身を隠して、近づいた鳩に飛びかかった俊敏さを目にして、日頃は餌をくれる人に対して、猫を被っているのだと痛感したことを思い出しました。
ノラネコにはノラネコなりの生きていく厳しさがあるのです。
きれい事に終わらないあさのさんの作品が好きです。 (ヒラP21さん 60代・その他の方 )
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