「だれかに何かを言われることに、いちいち反応することはない」
この言葉が胸にしみました。
思春期の頃は特に、周りからどう思われているかきになるものです。
その視線に押しつぶされそうになります。
自分は自分なんて堂々と生きられたらどんなにいいか。
裕一が出会ったおじいさんは、若い頃にビックバンから来たむなしさが、てんじくネズミの姿で現れて一緒に暮らした話をしてくれます。
てんじくネズミはおじいさんの心の姿だったのではないでしょうか。
むなしさに支配されたおじいさんが、自分と向き合うことで一歩前に踏み出したのでしょう。
てんじくネズミのために食料など買いに行ったのは、外の世界へ出るきっかけだと思います。
裕一とお姉さんがおじいさんの話を話し合い、お互いの意見で新たな考えが生まれるところが好きです。
おじいさんがいなくなって、二人がもとの関係に戻るところも好きです。
ベタベタするだけが仲良しではないのです。
でも、きっと少しなにかが違っているのでしょう。
そんな希望を感じる最後でした。
高学年にも難しいかもしれませんが、数年たってまた読んだ時に自分の成長を感じられる本だと思います。 (おるがんさん 40代・ママ 女の子、男の子)
|