ペルシャ・ササン朝の王バハラーム五世をめぐる7人の王妃は、それぞれの愛のかたちを王に物語る。シルクロードの国の美しい絵巻ものがたりです。
エピローグと、プロローグの間にある、七つの寝物語。
各お話の中に出てくる、聞きなれない人名や地名の向こうに、香(こう)の名前、バラやヘリオトロープ等の香りを連想させる花の名前、イメージの中心に置かれる、香や花と同じ登場人物の着衣の色。
目を閉じ、深呼吸しながら、話の状況を、心に思い描き、
『つかれはて』
『まどろみ』
『心も魂も全てうばいつくされ』
『苦しみ』
『戦い』
『茫然となり』
日本人の価値観とは違う筋書きに、翻弄され、アラビアン・ナイトの七夜の寝物語に、少し古典的だと感じられるキレイな日本語の言い回しに、私の『心も魂も』うばわれてしまいました。
少し早熟かもしれませんが、小学6年生の読み聞かせに、使いました。大久保千尋先生も、ユニークな閨秀画家と、紹介されていますし、絵柄的にも、幻想的です。
出版部数も少ないかもしれませんし、絵本ナビの検索にも、引っかかりませんでしたが、是非、近くの図書館に置いてあったら、一度は、この本の持つ、夢のような世界を漂われる事を、おススメします。 (アサリちゃ〜んさん 40代・ママ 男の子15歳、女の子8歳)
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