「ばんざい はれた、はれた!」 目が覚めたばかりのあやこは大喜び。 今日は日曜日。ピクニックに行く日なのです。
朝ごはんを食べながら、あやこはいい事を思いつきます。 「おかあさん、みて! わたし おべんとうを つめてあげたの」 それから、お父さんのお手伝いだってします。 「この ばっぐ、しめてあげようっと……」 さらにさらに、お気に入りの服にお着がえして鏡を見ていたあやこは、 「もっと きれいにしてみよう……」
あらあら、あやちゃん大変!!お出かけの準備で忙しく動き回るお母さんとお父さんの前で、思いもよらぬ光景が次から次へと繰り広げられるのです。お弁当はぐちゃぐちゃ、お父さんのバッグから荷物が溢れ出て、あやちゃんのお顔がお化粧だらけになり、あげくに…!?
見ているだけで、「キーーッ」となりそうなこの状況。だけど、絵本の中のお父さんもお母さんも怒りません。優しく対応してあげます。それは、あやちゃんが自分で出来ることを一生懸命やろうとしてるってことを知っているから。あやこの無邪気な仕草や表情、それを見守る両親の優しい眼差し、物語の中から作者の子どもたちに対する姿勢を感じることができます。
上機嫌のあやちゃん。嬉しい気持ちのままで出発することができて、良かったね!
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
ピクニックにでかける前の、小さい女の子のはずむ心を、ごくあたりまえの家庭を舞台に描きだした、ほのぼのとのびやかな絵本です。
イヤイヤ真っ盛りの息子。出かけるのも一苦労。
朝から晩まで本当に疲れちゃう。成長の過程なんだってわかってはいるのに。
この本は図書館で出会いました。読み聞かせるとなんだか親の私の方が、心がほぐれていくような、緊張していたからだが緩んでいくような、そんな優しい気持ちになれました。
この絵本にでてくるあやこちゃんのおかあさん、おとうさんのように、心に余裕をもってこどもに寄り添って行きたいなと感じます。
なんだか疲れてしまった時、息子に読み聞かせながら、改めて息子をいとおしく思える私にとって大切な絵本になりました。 (おさかなままさん 30代・ママ 男の子2歳)
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