舞台は江戸時代後期の御徒町。武家の息子真次と嘉八は、ぜんそくで部屋にこもりがちな少女あきのために、金魚用の池を掘ります。あきにとって、金魚は唯一の遊び相手。二匹の金魚に、想像で芝居をさせて楽しむようになりました。ところが、台風で水があふれて金魚は行方不明に……。『花のお江戸の朝顔連』に続く、お江戸御徒町の人々の暮らしを生き生きと描いたシリーズ第二弾。
ここがポイント ・江戸時代に実際にあった「金魚ブーム」を背景としています ・テンポのいい江戸っ子の会話が楽しめます ・登場人物が魅力的です
<編集者コメント> 2010年、『建具職人の千太郎』で赤い鳥文学賞を受賞された岩崎京子先生の新刊です。1959年に『さぎ』で日本児童文学者協会新人賞を受賞して以来、50年以上にわかって第一線で作品を発表し続けてこられた先生は、今も少女のように目をきらきらさせながら、好奇心いっぱいにさまざまなテーマを探究されています。江戸時代に実際にあった「金魚ブーム」を背景として描かれた本書もまた、確かな時代考証をもとに描かれています。大人が読んでも充分に楽しめます。
どうも、主人公の設定の説明が端折ってあるなぁと思っていたら、この作品はシリーズ2作目でした。
でも内容そのものは独立していて、1話完結なので、読みやすくて面白かったです。
江戸時代の「金魚」って、とっても高価なペットだったんですね〜。そういえば、そんな話どこかで聞いたことがある気がします。
江戸庶民(商人たちくらいの身分)の生活の様子が垣間見えて面白かったです。
今はテレビのゴールデンタイムに、「水戸黄門」とか「遠山の金さん」とか「江戸を斬る」とかやりませんよね〜。
こういうのをおじいちゃんおばあちゃんや親たちと見てないせいか、
小学生くらいの子どもたちが「歴史(時代劇)に触れる」機会が極端になくなってきた気がします。
この作品は、最近の子どもたちが、江戸時代がどんな時代だったのか考えるいい切っ掛けになりそうな、素敵なお話でした。
ところで、挿絵は堀田あきおさんという方が描かれていますが、どうも絵が漫画っぽいなぁと、思っていたらマンガも描いていらっしゃるイラストレーターさんだそうです。
(しかも故・手塚治虫さんが師匠だそうです)
なので、漫画っぽいといっても、この物語の世界がよく見える楽しい絵
でした。特に真次(主人公)の友だちの嘉八が性格も姿も面白くてよかったです。
文章は感じは多いものの、ルビはほとんど振ってあるし、行と行のスペースが広めにとってあるので、とても読みやすいと思います。
小学校中学年くらいのお子さんたちからいかがでしょうか? (てんぐざるさん 40代・ママ 女の子16歳、女の子12歳)
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