やっかいな剣をたずさえ魔法の森に入ったデイスターは、魔法が使えない炎使いの少女と出会い、途方に暮れる。陰険な魔法使い相手に、礼儀正しい少年と怒りんぼの少女が大活躍。可愛くて元気なファンタジー、完結。
上の子と一緒にずっと読んできているシリーズの最新刊が出ました!
物語の中に昔話やおとぎ話にありがちなアイテムやキャラクターを取り込み、それでいて普通のおとぎ話とはちょっと違う“らしくない”個性がとても楽しいシリーズです。
シリーズ1巻ではお姫さまらしくない姫・シモリーンがお城を飛び出し、ドラゴン・カズールの囚われの姫になるお話でした。
2巻では、ドラゴンたちが新しいドラゴンのキングを選ぶ試験中。
なぜか突然、この世界の魔法の源である“魔法の森”に次々と異変が起きます。
それらはみんな「魔法使い教会」の仕業で……。シモリーンはドラゴンや魔法の森の王メンダンバーを助け、魔法使いたちと戦います。
3巻になると、シモリーン(しいていうとドラゴン派)と魔法使いたちの戦いは佳境に入ります。魔法の森の大切な剣は奪われ、魔法の森の王、メンダンバーは魔法使いたちに囚われ、これからどうなる!?というところで、「4巻へ続く」でした。
なので、この4巻はとても楽しみでした。
今回活躍するのは、シモリーンの一人息子・デイスターです。
冒険の仲間は炎使いの女の子・シアラと若いドラゴン(名前は出てきません)。
シモリーンがデイスターを旅立たせるシーンは娘と笑っちゃいました。
まさにシモリーンらしく、大事なことは何も語らず「自分でつきとめなさい」とだけ言って……。旅路に持たせてくれたのは一本の剣のみ。(前巻で、シモーリンが発見して彼女だけがわかる場所にこっそり隠しておいた「魔法の剣」です!)
デイスターは訳の分からないまま、魔法の森を旅します。
これが、とてもよかったです。デイスターは何もわからず旅をします。なので、彼が勝手にやってくる魔法使いや、なぜか巻き込まれてしまう事件に出会うたびに、
常連の読者は一緒になって「あぁそれは実はね」と、胸の内でむず痒いような楽しみを味わえるし、
この巻で初めてこの物語を手にした読者は、デイスターと一緒になって、悩んだり考えたりして前に進めるんです。
私と上の娘は、今熱烈に、まだ私たちからあらすじをちょっとしか聞いたことのない下の娘にこの本をお薦めしています。
冒険もの、ドラゴンモノ、お姫さまもの、昔話・おとぎ話が好きな人!!ぜひ、読んでみてください。絶対に損はさせません。 (てんぐざるさん 40代・ママ 女の子16歳、女の子11歳)
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