「おかあさんの おこりんぼう!」 お母さんから怒られて、思わず家を飛び出したはなちゃん。街の商店街を通り抜け、いつの間にか裏山に入り込んでしまった彼女が見つけたのは、ぽっかりとあながあいた、不思議ながけでした。恐る恐るあなをのぞくと、そこには見たことのない景色が広がっていて……!?
■作/ささきみおさんからのメッセージ 恐竜が好きでよく上野の博物館に行きました。今のじゃなくて前の展示の時。確か、入るとすぐ正面にティラノサウルス。左右に進化の様子。歩いていくと、昔の生き物たちの間にいるようで、わくわくしました。あそこは広くて閉館がはやく、いつも全部見きれません。いそいで見て回って家に向かう時、かならず「あ〜やっぱりおもしろかった! また来よう。来月にもう一度」(なんて思いながらも、なかなか行けないのですが)。あの幸せな感覚を思い起こしながら描きました。そして、はなちゃんと一緒に何億年も旅をしました。
■担当者のうちあけ話 穴でも、襖でも、押入れでも、何でもいいのですが、何かをのぞく……というのは、ドキドキしますよね。(別に怪しい意味はないですが)この絵本でも、主人公のはなちゃんが、裏山にあるがけの穴をのぞくことで、昔の生きものがいっぱいの、不思議な光景を目にするのです。子どものころ、「タイムマシンがあれば、恐竜を見に行けるのにな〜」と、考えていた私には、うらやましいかぎり! ですが、ささきさんが描く、かわいい昔の生きものたちを見ていると、心が和みます。ラストには、ほっこり心が温まるステキな展開が待ち受けていますので、保護者の方(特にお母さん!)にも、じっくり読んで味わっていただきたい1冊です。(弓引き童子)
お母さんと喧嘩して家を飛び出します。
裏山のがけで不思議な穴をみつけます。
そしてのぞいてみるのです。
穴の中に広がっている世界を想像するワクワクが伝わってきます。
のぞくって(響きはよくないのですが)本能的にワクワクするのですよね。大人も子供も…
そんなくすぐったい気持ちを刺激されます。
最後にのぞいた穴に広がっていたのは、
赤ちゃんが生まれて幸せに包まれている家族。
誰もがそんな風に強く強く望まれて産まれ、
大切に大切に育てられてきたんだよと気づかせてくれる絵本ですね (らずもねさん 30代・ママ 男の子4歳、男の子2歳、)
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