主人公の輝矢は小学4年生。ひっこみ思案の輝矢は、いつも家族や友だちに支えられてばかりいると思っている。唯一の友だちが転校してしまい、クラスではひとりぼっちの輝矢だった。
連休のある日、おばあちゃんの弟のモリおじちゃんが訪ねてきた。大工を辞めて山小屋に住むという。
輝矢はモリおじちゃんに連れられて山小屋にいくと、なぜかそこには一匹の柴犬が居ついていた。夏休みを山小屋で過ごす約束をした輝矢は、元気をなくしているおじちゃんの様子が気になった。夏休みに再びモリおじちゃんを訪ねると、山小屋はすっかり手入れされ、あの柴犬がハルと名づけられて飼われていた。
ひと夏を山小屋でハルやモリおじちゃんとすごすうちに、いつも家族や友だちに支えられていると思っていた輝矢は、自分の存在が、家族を支えていることや、親友を突然失って落ちこんでいたおじちゃんをも励まし支えていたことを知るようになる。そして、輝矢は今の自分に自信と希望を持って、2学期に向おうとする。
中学年の子どもたちから大人まで読んでもらいたい物語。 ふだんは見えない家族の絆。その絆によって自分が支えられていると思っていた輝矢が、自分の存在が、また家族や周りの人を支えている絆であることを知り、自信と希望を持つ物語。
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