階段だらけの屋敷に隠された伯爵家の宝と、その宝を探す資格があるために屋敷にとらわれている男の子――。 伯爵家の秘密を知った新米教師フランス先生は、さだめか、 はたまた偶然か、予言の指し示すまま、奇妙な冒険をすることになります。 どんどん謎にひきこまれる、読みごたえたっぷりの物語。
さて、「七つのわかれ道の…」下巻です。
下巻を手にされた方はもう、当然上巻を読んでいると思います。
下巻では「フランス・ファン・デル・ステフ」先生はどちらかというと「赤毛のフランス」でいる方が多くなります。
この物語で面白いのは、ちょっぴり不思議な物語であるのに、フランス先生は自分のいる《現実》から別の世界へ移動したりするわけではないんです。
あくまでもすべてこの世界で実際に起こっている。
だから、フランス先生は“赤毛のフランス”のように素晴しい機転で危機を脱することもないし、突然スーパーマンのような力を発揮することもありません。
でも、「可哀そうなヘールトーヤン」少年のためにがんばちゃうんです。
そこがものすごく好感が持てました。
最後は大きな戦いやけがもなく、大円団で楽しく終わりました。
こういうところも良質な児童書作品ならではなんだろうなと、改めて思いました。
小学校五年生の子どもたちと先生のお話なので、お薦めは4,5年生くらいから。
読み手の子どもたちが物語の同年代の子どもたちや“赤毛のフランス”との冒険を楽しんでくれるといいなぁと思います。 (てんぐざるさん 40代・ママ 女の子19歳、女の子14歳)
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