「おとうさーん」今日もはるくんの声が夕暮れの保育園に響き渡ります。 「きいてきいて!!きょうね ぼくね むしをつかまえたんだ」 お父さんはにこにこはるくんの話を聞いています。 でもお父さんはお仕事が忙しい上に、はるくんのお家にはお母さんがいないので家事も大忙しです。 ずーっと「きいてきいて!!」というはるくんに、とうとうお父さんは、「おとうさん、あとにしてもらいたいんだけどな」。 はるくんは怒って布団に籠もります。
この絵本は、父子家庭のお父さんと息子の設定ですが、どの家庭にだって、こんなやりとりはあることでしょう。 仕事も家庭も頑張っている親にとって、時間のやりくりは永遠のテーマ。 聞いてあげたいのはやまやまだけど、時間がないんだ。そんな葛藤の中で日々過ごしているのが現実ではないでしょうか。 でも、当たり前に見える子どもの「きいてきいて」も、実はかけがえのない宝物の時間だったのだと、後になって気づくのです。 そう考えると、もしかしたらもう少しだけ、何かできることがあるかもしれませんね。
「もうおとうさんには何にも話してあげない」そう言って布団に籠もったはるくんですが、 あることですぐにおとうさんと仲直りできてしまいます。 ああ、そうそう、親子っていろいろあってもこうやってすぐに仲直りできるのがいいんだよなあ〜っと、そんな素敵な気持ちにさせてくれる、あったかい絵本です。
(金柿秀幸 絵本ナビ事務局長)
シングルパパと男の子ふたりの当たり前の日常を切り取った物語。 他愛のないお話の中に、親子の愛情がぎゅっと詰まった絵本です。
ついさっき、全ページためしよみで読みました。
はる君のパパはシングルパパ。
保育園へ迎えに来た時から、「きいてきいて!」
家に帰って、パパは食事の用意や洗濯物、連絡帳と
とっても忙しいのに、はるくんは「きいて、きいて!」
ニコニコ聞いてたり、手を動かしながら聞いてたパパでしたが、
「ちょっとあとにしてほしいんだけど」って言っちゃいます。
言うよ、言いますよ。だって、マシンガントークなんですもん。
しかも途中で何が言いたいかわかんなくなってきちゃうし。
うちなんて兄ちゃんと二重音声になるときありますもん。
確かに、「聞いて聞いて!」って言ってくれる時期なんて
「ママ大好き!」ってくっついてくるのと同じぐらいに短いって
よく聞きますよ?でもね…。
いや、ここはちゃんと心に余裕をもって聞かなきゃダメなんですね。
がんばろう、明日から!(笑) (わにぼうさん 40代・ママ 男の子9歳、男の子5歳)
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