渋いコートと帽子、そしてマフラーを巻いたねずみのドズワース。見た事ある!と思った方もいるでしょう。 そう、絵本『ピンクのれいぞうこ』の最後で「どんどんやること」の楽しさを見つけて、広い世界を見に行こうと出発したドズワースです。あのお話の続きなのかどうかはわからないけど、どうやらドズワースはこれから世界旅行に出発するようです。ああ、それだけでワクワクしてきますね。ドズワースの前にはどんな旅行が待っているのでしょう。
出発の前にまずは腹ごしらえです。大好きなパンケーキのあるホッジスさんのレストランに行ったけれど、出てきたのはあひるのダックン。ホッジスさんのペットです。自由気ままでちょっと変わってるダックンに振り回された後、無事に朝ごはんを済ませてニューヨーク行きの寝台車に乗ったドズワース。「ニューヨークからパリに渡って、ロンドンに行って…楽しみだなあ」期待に胸を膨らませていると、目の前に現れたのはなんとダックン。いつのまにかドズワースのかばんの中に隠れていたのです! ドスワースの説得も聞かず、勝手にニューヨークの街の中に消えていったダックン。結局心配でニューヨーク中を探しまわるドズワース。この旅行、おかしなことになってきましたよ!?
場所を変えながら次々と小さなハプニングが起こる、まるで映画を見ている様なストーリー。あんなに自分勝手なのにみんなに愛されるダックンと、マイペースなようでとても人のいいドズワース。この組み合わせが面白いのです。やっと最後は一件落着と思ったら、そうでもないみたいで…これは絶対続きが読みたくなりますね。
絵本にしては少し長めの文章でも、4つの章立てになっているので読みやすいですよ。二人の愉快な旅行の始まりを、のんびり一緒に楽しんでみてくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
<風変わりなあひると、人のいいねずみの愉快な冒険> 初めての世界旅行をするため、ニューヨーク行きの寝台車に乗ったねずみのドズワースは、かばんを開けてびっくり。中からあひるのダックンが飛び出してきたのです。ダックンは、いつもドズワースが立ち寄るレストランのご主人、ホッジスさんのペット。ドズワースが、ダックンにうちへ帰るように説得しますが、聞きわけがありません。それどころか、ニューヨークに着くと、勝手にいなくなってしまって…。
気ままなダックンと、ダックンを追いかけてニューヨーク中を捜しまわるドズワースのユーモラスなストーリー。子どもたちを楽しい旅の世界へと導きます。
『ピンクのれいぞうこ』を読んで以来、その後のドズワースの旅の様子が知りたくてたまりませんでした。とうとう旅に出たようで、とてもうれしいです。
行き先はニューヨーク。ドズワースは寝台列車に乗って向かいます。旅に集中できないハプニングもあるのですが、結果的にヤンキースタジアムやウォール街、自由の女神の展望台などなど、名所をきちんと巡ることができました。私も行ってみたいところばかりで、自分も一緒に旅をしているようなワクワクした気持ちになれました。裏表紙の見返し部分のニューヨーク地図も楽しかったです。
今度はパリのようです。次回もとても楽しみです。 (クッチーナママさん 30代・ママ 女の子8歳、女の子5歳、男の子3歳)
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