言葉をそのはたらきごとに分けて、日本語、英語、ポルトガル語、スペイン語で紹介しているこのシリーズ。 ・・・ん?日本語と英語ならよくあるパターンですが、どうしてポルトガル語とスペイン語のセレクトなんだろう? 大人だったらまずそこが気になっちゃうので、まえがきを読んでみると、
「この本の読みかた、楽しみかたはいろいろです。 のりものや、どうぶつの図鑑を見るように、気楽に、自由にこの『言葉図鑑』であそんでください。」
なるほど、これは言葉の「辞典」ではなく「図鑑」。「覚える」ではなく「遊ぶ」本! あまり難しいことにとらわれなくていいんだとスッキリしたところで、ページをめくればたちまち言葉遊びワールドのど真ん中。 だってこの本の作者は、五味太郎さん!
まずは「なまえのことば」から。 花の「ばら」は、英語で「rose(ロウズ)」。 ところがスペイン語・ポルトガル語では「rosa」。表記は同じなのに「ローザ」と「ロサ」で読み方がちょっと違うんだなぁ。 発音とかイントネーションとかにとらわれず、まずは口に出して読んでみたくなる衝動。学校の英語の授業ではなかったものだから、不思議です。
続いて「くらしのことば」では、各国のあいさつ、お礼、お詫び、いたわりの言葉。 「よびかけことば」には「おーい!」「ちょっと!」「あのー・・・」「しつれいですが・・・」。そうそう、話しかける相手によっていろんな言葉があるよね。 言われたくない「けなしことば」があれば、言われて嬉しい「おだてことば」だってある。 「ママ、どこかへいっちゃいますよ」なんて「おどかしことば」は、フフフ、わが子に使えそう。
・・・って、キリがないです。だっておもしろいんですよ、言葉って。 何といっても五味さんのイラストと言葉選びが絶妙なウィットに富んでいて、ちょっと毒があって、そして「こんな場面、あるある!」って共感があって。 うーん、話がつきませんね、だからこの辺で「おわかれことば」で締めたいと思います。 失礼します! 「I should get going・・・(アイシュッドゲットゴーイング)」「Tem de ser(テムデセール)」「Me despido(メ デスピード)」!
(絵本ナビ編集部)
いろいろなものについている「なまえのことば」と、あいさつなどの「くらしのことば」をたくさんあつめて4カ国語で紹介。 絵も言葉も楽しめる図鑑です。
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