たくさんの可愛い洋服が並んでいるのは、モグラのググさんの洋服屋さん。土の中にあるのです。(最初に登場する、お店をふくめたググさんの土の中のおうちの図にはワクワクさせられちゃいます!) お店はいつもお客さんでいっぱい。ググさんは赤いボタンが3つ付いているジャケットが特にお気に入りです。ところが、ググさんは忙しすぎて赤いボタンの1つが落ちてしまったことに気がつきませんでした。しかも、買い物中のネズミさんが持っていたバッグの中に入ってしまったのです!赤いボタンもびっくりしてさけびます。「たすけてよう」 やっとネズミさんのバックから逃げられたのは森の中。さてどうしようかと途方にくれていた赤いボタンが見たものとは・・・?
そういえば、いつの間にお洋服からなくなってしまったボタンってあったなあ。どこで落としたのか思い出そうと思ってもなかなか思い出せなくて。 このお話には、そんな「忘れられたボタン」たちがたくさん登場するので驚きです。 もしかしたら本当にこんな風にどこかに集まっているのかもしれない、なんて。
さて、赤いボタンは無事にググさんと出会えたのでしょうか。 ググさんはボタンやお洋服に深い愛情を持っているのできっと大丈夫。 みんなの協力で起こした行動は、思いもつかなかった幸せな結末を呼び寄せてくれますよ。
あたたかで可愛らしいこのお話。読んだ後に、そっと自分のタンスの中をのぞいてみたくなっちゃいます。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
ここはモグラのググさんの洋服屋さん。ある日、ググさんのお気に入りのジャケットのあかいボタンがとれて、ネズミさんのバッグに落ちてしまいます。なんとかバッグから出られたあかいボタンは、ググさんのお店を探します。探すうちにたどりついたのは、忘れられたボタンたちがいる場所でした。そこにググさんが探しに来ますが、あかいボタンは声が小さくて気がついてもらえません。そこでボタンたちは、ある行動をおこします。ググさんは気がついてくれるでしょうか?
もぐらの洋服屋さん!
土の中なのにとっても繁盛していて、何だか明るいのです。
素敵な洋服もいっぱい。
いいな、いいな。私も行ってみたい。
そのもぐらさんお気に入りの、ジャケットのボタンが知らない間に落っこちて、
ねずみさんのカバンに入ってしまって・・・というあらすじです。
ボタンが他の“とれてしまった迷子のボタンたち”に出会うシーンでは、
「ごめんね、私のボタンもこの中に居るのかも・・・」なんて思ってしまいました。
ボタンって、いつの間にか取れてしまうんですよね。
でも最後には、このボタンたちもみんな幸せになれてホッとしました。
物にも命があると、子どもの頃はそう教えられました。
短くて使えなくなった鉛筆も、なかなか捨てられなかった記憶があります。
大人になると忘れてしまいがちですが、大切な事ですよね。
この絵本を読んで、久しぶりに思い出せました。
(なーお00さん 20代・その他の方 )
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