読み終えた後、幸福な感動に包まれるようなロマンティックな短編を集めました。O・ヘンリ「よみがえった改心」、今市子「夏の手鏡」、アイザック・アシモフ「お気に召すことうけあい」、坂田靖子「春の磯」、ロバート・F・ヤング「空飛ぶフライパン」の、5編を収録。
いろいろな形の、上質なロマンスが味わえます。
巻末に、編集者が後味のいいものを選んだ、と書いてある通りです。
物語は、想像していた以上に緻密で、豊かで、素敵な世界。
ラストがどれも幸せになるので、寝る前にちょっとした読書として読むのにもおススメできます。
このリトルセレクション・シリーズは、若い人向けに編まれた短編集ですが、
大人が読んでも十分に面白い!
物語として読みごたえがある作品や、漫画も入っているので、自分の読解力に応じて、読みやすいところから始められます。
小学生の中、高学年くらいから、おススメします。中学生なら十分楽しめると思います。
ロマンスなので、ちっちゃい子どもにはちょっと早いかもしれませんが、
おませな早熟ちゃんは、どんどん読み進められるかも…漢字が読めれば(笑)
泥棒ロマンス、あの世のロマンス、SFロマンス、日本の古典ロマンス、宇宙人ロマンス?…ロマンスの形がいかにたくさんあるかが、よくわかります。
ありきたりの恋愛ものではない、特殊な舞台設定が、ステキです。
どの作品も人物に感情移入しやすく、あり得ない展開なのに、妙に生々しくて、物語が生きていることを感じました。
ハードな描写や、暴力的な部分はないので、子どもが読んでも安心です。
でも、親の方がはまるかも。
どの作品も、その作家の別の作品も読んでみたいと思ってしまいまして、
今後、読むべき本が急に増えて、忙しくなりました。
恋愛やロマンスなどが苦手な人にもおすすめです。 (渡”邉恵’里’さん 30代・その他の方 )
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