クリスマスの日に起こる、とびきり素敵な奇跡の物語や、しみじみと幸福感が残る感動的な物語を集めました。ジョン・ラッツ「生きたクリスマス・ツリー」、キャサリン・パターソン「マギーの贈り物」、J.M.ヴァスコンセロス「わんぱく天使」、アン・デ・キィール「三びきめの羊」、ピーター・ラヴゼイ「クレセント街の怪」、アガサ・クリスティー「水上バス」の、6編を収録。
【内容】
・「生きたクリスマス・ツリー」 ジョン・ラッツ 1989年収録
・「マギーの贈り物」 キャサリン・パターソン 1979年収録
・「わんぱく天使」 J.M.ヴァスコンセロス 1969年収録
・「三びきめの羊」 アン・デ・キィール ※詳細不明
・「クレセント街の怪」 ピーター・ラヴゼイ 1989年収録
・「水上バス」 アガサ・クリスティー 1934年収録
(赤木かん子 解説より)
「クリスマスとは自分がやってきたことをふりかえり、反省したり確認したり人を許したり、の一種の総ざらえの日」
いろいろな立場の人たちが、クリスマスを迎える物語。
【感想】
キリスト教文化の影響の強い地域では、クリスマスは単なるお祭りではなく、かなり重いテーマをはらんでいることが伝わってくる。それぞれの短編を通して、登場人物たちの人生の断片を知るだけだが、その人たちの過去や未来も描かれているような気がする作品ばかり。人の人生の意義を考えさせられる。
個人的に一番好きな作品は、「三びきめの羊」だ。これは、女子パウロ会の本の中で見つけた作品という以外は情報がないらしい。クリスチャン向けに書かれた物語か、神の素晴らしさを伝えるために書かれたのか、わからないが、信仰があるが故の悩み苦しみや喜びが描かれていた。クリスマスが、宗教行事であることを一番強く感じさせる作品だ。
私は日本の商売熱心なバカ騒ぎといった印象のクリスマスは好きではないが、外国の宗教行事としてのクリスマスや、各家庭にしっかり根付いた文化や習慣としてのクリスマスは、真摯な思いが入っていて好きだ。たまには真面目に教会に行ってみてはいかがだろうか、と自分に尋ねている。 (渡”邉恵’里’さん 30代・その他の方 )
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