歴史学者として有名な作者が、初めて子どもたちを対象にした絵本という媒体で作った作品だそうです。
全体の流れ的に、実にフランスというお国柄が感じられる絵本だなぁと、思いました。
主人公のピエール君に対して、周りの大人たちの対応の仕方が、とにかく素晴らしいです。
子どもの苦手なものを(ピエール君は「黒」という色を怖がっていました)、そのまま言わせておくのでもなく、無理やり好きにならせるのでもなく、「黒」という色がどんなものであるか、じっくり語り合い、「黒」を扱った素晴らしい絵画を見せに行ったりするんです。
子どもを子ども扱いせず、知らないことを吸収させようとしてくれている。その目線の高さがとても対等でいいなと思いました。
日本人の親も、こういう風でありたいです。
ちょっと哲学的な内容なので、読み聞かせに使うとしたら小学校4年生から高学年くらいがよいかもしれません。