「オレンジ色の不思議」 みんなの声

題名のとおり、ちょっと不思議なおはなしばかりです。
とつぜん現れた、謎の美少女との会話、
彼女が見せてくれる不思議な出来事、
ぬいぐるみたちを、おうちに連れ帰るエピソードや、エピローグの
両親へのあいさつなど、微笑ましく、ほのぼのとした気分になりました。

作家が謎の美少女と出会うといつも不思議が起こります。
そんな不思議を集めたお話たち。
幽霊なんかも出たりしますよ。
一作一作の不思議も不思議なんですが、私はメインキャラである謎の美少女が気になりましたー。
オチがあまりなかったかなと思いましたが、まあ不思議は不思議として、説明がつくものではないのかな。

作家と少女が、不思議な空間を案内してくれている感の短編集です。
少女の生意気な言葉づかい、奇妙な思考回路に翻弄される中年のおじさんという設定が、意味不明でありながら納得感もあって、気がつけば文中にあるように化かさせた感じで読み終えてしまいました。
怖くない不気味さを操る斉藤洋さんワールドでした。