「おしいれのぼうけん」「ダンプえんちょうやっつけた」の古田足日さんの作品だということで、とても楽しみに読みました。
166ページ13章、かなり読み応えのある作品です。
毎晩寝る前に1日2章づつと決めて読むことにしましたが、「お願い、もう少し読んで!」と息子に懇願されることも多く、5日間で読みました。
体は大きいのにお母さんに頼ってばかりで、精神的にはとてもひよわな1年生の「まさや」。
体は小さいけれど自分の気持ちに真っ直ぐに行動することができる、しっかり者の「あきよ」。
対照的な2人ですが、友達になって時間を共有するうち、しだいにお互いのことを理解するようになっていきます。
「まさや」は勝ち気に見える「あきよ」にもコンプレックスなど複雑な心情があるんだと知ります。
そして、そんな「あきよ」のために大冒険に立ち向かうのです。
「あきよちゃんを喜ばせたい!」という一心で。
終盤、強い気持ちで不安をはねのけていく「まさや」の大きな成長を感じ、読んでいてウルウルでした。
子どもは子どもの中でたくましくなっていく。
子ども同士の遊びの時間はかけがえのない大切なもの。
そんなことも感じました。
子どもの心情の奥の奥まで細かく書かれていて、友情と自立をありありと描いたとても素晴らしい作品でした。