小学校を卒業ばかりの私(トモミ)と、弟のテツが主人公です。
本は小学校高学年からお薦めしてありますが、私は中学生以上、高校生くらいのお子さんにお薦めしたいです。
有名な「夏の庭」に続いて、作者の第2作目だそうですが、とてもまだ駆け出しの作家さんの文章とは思えませんでした。
「猫の死体」をテツが探すシーンとか、夢の中でトモミがみんなに嫌われ者の怪物になっているシーンとか、まるで自分の身に起こっているような気部になるほどリアルで、ある意味ちょっと気持ち悪かったです。
それでかな?うちの上の子の朝読用に用意したのですが、「今いちだった」と言われてしまいました。
上の子は極端に暗い話はあまり好きでないようです。
うちの子のように、好き嫌いは多様でる作品だと思いますが、
思春期の子どもの心理状態、複雑な家庭状況。
ちょっとしたことで歯車がくるっていって、否応なしに巻き込まれていく子どもの選択肢のなさなどが、「あー。わかる!」という感じで表現されている素晴らしい作品でした。
ナビへの評価は、子どもと私の間を取りました。