「絵本と私」 みんなの声

昨年１０月に中川季枝子さんの講演会をお聞きする機会がありました。

子どもの頃に出会った岩波少年文庫のお話に始まり、保育園での子どもたちに読んだ本のこと、子育て中に読んだ本のことを語ってくださり、

とても楽しい時間でした。

中川さんご自身も絵本のことについて書かれていたことを思い出して、読んでみたくなったのがこの本です。

見開きで左側が本の挿絵、右側が中川さんの本を読まれた印象が描かれていて、

巻末には掲載作品一覧があります。

とても読みやすい絵本の紹介の本になっています。

絵本のことをあまりよく知らないと言われる初心者の方、子どもに何を読んでいいのかわからないと思われている親御さんたちにとって

この上ない絵本ガイドとなっています。

中川さんの子どもに向ける暖かいまなざしが感じられる本でもあり、お薦めです。

中川さんのご自身の著書も含めた絵本紹介の本です。
中川さんが作品をつくった理由、思いを語るのを読むのもファンとしては楽しかったです。
いろいろな作品が紹介されていたので参考に本を選んでみたいと思います。
中川さん自身のことを要所要所で語られているのでその点も面白かったです。

中川さんが、日々の暮らし、思ったこと、身の回りでおきたことを
つらつら書き、最後にふわっと絵本の中に舞い降りる形で書かれた
本です。

娘が産まれてから絵本ナビと共に歩んでいる私ですので、もちろん
知っている絵本もたくさん！
この絵本に関しての、私と娘の物語はこうだけれど、中川さんにと
っては（当たり前ですが）、おんなじ絵本でも、私達とは違った物
語が、くっついているのだねえ、と微笑ましく読んだり。まだ、読
んだことがない絵本は、やっぱりすぐにでも読みたくなっちゃった
り。読んだことがあって、あまり好みでなかったものさえも、また
読みたくなっちゃったり。

絵本と子どもに対する愛情たっぷりでうれしくなるのです。

「ぐりとぐら」や「そらいろのたね」など
中川さんの絵本が大好きなので、
中川さんが書く絵本エッセイならばぜひ読みたい。
と思い、手に取りました。

想像以上に素敵な本でした。
ページをめくるたびに、
感動しどおしです。

読んだことのある絵本の紹介も多かったのですが、
自分も感じた気持ちを、
「そうか、言葉にしたらこういうことだったんだ」
と思えて、うれしかったです。

「お母さんが子供に「読み聞かせる」というのは、
どこかお説教くさく、押し付けがましい感じがしてなりません。
お母さん自信が楽しみながら、こどもといっしょに絵本を見る、
そして読む―それでいいと思います」

という一文が、とても腑に落ちました。