この本の感動は、もう多くの方に書き尽くされていますが、
主人公である男の子にも、先生にも、そして
おそらく、たった一人で懸命に二人の子育てをしているお母さんにも
等しく、優しく暖かいまなざしが注がれているところが
何よりも素晴らしいのです。
子育てに正解などありません。
迷ったり、失敗したりしながらも、
いつでも、何度でもやり直すことができるはず。
そう、信じたいと思いました。
「どうしてこの子、おこだでませんように、って書いたんだろう」
と、不思議そうな息子が、
「あ、でも、ここには、おこられませんように、ってちゃんと書いてあるよ」
最後のページ、家で妹と共に、お母さんに抱き締められている男の子のそばには、小さな笹と短冊が3つ。
先生かお母さんに、正しい書き方を教えてもらって、書き直したのでしょうか。
きっと、優しく教えてもらったに違いありません。
その字を見ると、胸がつまる思いでした。
息子は、この本を読んだ後、しばらく考え込んでいましたが、自分でも短冊を書く、と言い出しました。
去年までは「ピアノがほしい」とか「アンパンマンになりたい」だったのですが、今日書いたものを見ると、こう書いてありました。
「まいにち なかないで ようちえんにいけますように」