「時間をまきもどせ！」 みんなの声

時間をテーマにブックトークをするので、本を探しているうちにこの本にたどりつきました。いやぁ、はらはらしました。機械の「パワー・オブ・アン」の使い方が、イメージしにくかったけど、時間の繰り返しがそうくるか！と、どんどん引き込まれます。ブックトークの対象は低学年だったので、この本は、ちょっと難しいそう。次回、高学年対象のブックトークに紹介したい。

やりなおしたいことが自分には全くないという人のほうが少ないのではないでしょうか。
少年ギブは謎のおじいさんからやりなおしができる機械を受け取ります。
そんな中、妹のロキシーがたいへんな事故にあってしまい…。
未来を知っていたら、なんでもかんでもうまくいくというような甘いお話ではありませんでした。運命の力というものはあるのかな…と考えさせられました。考えて行動しても、なかなか思うようにやりなおしがきかずに、ギブはあせります。
妹は助かるのか、おじいさんの正体は…？

杉田さんのイラストすごく好きです。今回のこの児童書のイラストもいいですね〜。
この本は２００９年の夏休み推薦図書だったと思います。（違ってたら、すみません）
夏休みからずーっと気になっていて、最近やっと読みました。
登場人物も少なく、子ども向けのSF（タイムマシーンもの）としては、かなり読みやすかったです。

大人としては、主人公ギブ（少年）と未来からやってきたおじいさんとの関係性をもう少し知りたいなぁと、思ったけど、
児童書としてはこのくらい簡潔な方がいいんでしょうか。
SFが好き、または興味があるお子さんだったら、中学年くらいから楽しめる物語だと思います。

内容もいいですが、杉田さんのイラストがとっても物語を膨らませてくれているので、そのあたりもチェックして読んでほしいな、と思います。

＜パワー・オブ・アン＞過去に戻ることができる機械。
不思議な老人からこの機械をもらった少年ギブは、妹に起こった悲惨な事故を何とか食い止めようと懸命になります。
時間を戻しても迫ってくるピンチに、ハラハラドキドキさせられます。

タイムマシン。
そんなものがあったらいいなと考えたこと、誰しもあると思います。
過去にやりなおしたい場面がいくらでもあるから。
それに、昔のいろいろな世界を覗いてもみたいですもんね。

でも、逆に何でも何度でもやり直すことができる人生だったとしたら、それは本当に幸せかと問われると複雑です。
人は失敗によって何かを学び成長していくもの。
時間は戻ることがないからこそ、本当に大切にできるもの。
そのときそのときを一生懸命生きるということの大切さを、改めて感じました。

本書は２００９年度の青少年読書感想文全国コンクール課題図書 （中学校）です。
「時間」というものについてどのように考えるか。
私も多くの人の話を聞きたいと思いました。