岩崎書店さんの「あたらしい世界の童話」シリーズの一冊です。
タイトルの台詞を主人公のメルビンが叫ぶのも無理のない事です。
彼は、親切で気前が良くて、思いやりがあって、いつもにこにこ、とにかくとってもいい犬なんです。
友だちのために、洗濯をしたり、植木鉢に水をやったり、子守を引き受けたり、大忙しです。
どれだけ忙しいかと言うと、ゆっくり食事をする暇も、眠る時間も、そう、自分の洗濯をする時間すらなかったんですから。
彼の友人たちもむしが良いというか、メルビンの親切に頼りっぱなしで、彼自身の生活がひどい状態になっている事に、気づいて挙げられない鈍感さがめでた過ぎです。
メルビンも“親切で気前が良くて、思いやりがあって・・・”っていう友人からの賞賛に応えすぎです。
こういう人っていますよね。
でも、やっぱりメルビンは倒れました。
今まで、人に頼まれっぱなしのメルビンが、ベッドの上から初めて友人に頼みごとをするページに、笑ってしまいました。
それに応じてあげなくちゃいけないはずの友人たちの不甲斐なさにも、呆れつつ笑いました。
頼みなれていないメルビンと頼まれなれていない友人たち。
さ〜、立場逆転で何が起こるかは読んでお楽しみという事で。
少々長めの幼年童話です。
一人読みなら2〜3年生くらいからお薦めします。