大人の絵本ファンです。
最初に目にする表紙から、最後に目にする裏表紙まで全部が楽しい。
工夫された小ネタが効いている、つっこみどころ満載の素晴らしい作品です。
だいたい、出てくる人たちが、河童に助けてもらわないと何もできないような
人たちばかりで、妖怪よりも人間社会の方に「大問題」が発生しているのですが、
そんなことはどうでもいいのです!
正義の味方は、いつでも、どんな人にでも優しいのです!
どうやってもダメな大問題から、そんなことは自分でどうにかして欲しい小問題まで
全部、励ましてくださいます!!
むやみに手伝ってくれます。本人のやる気もなにも関係なく、問題が解決していますね・・・いいのかしら??本人の精進・努力は必要なし!?
さておき、スーパーヒーローの河童(へのかっぱ:本名)は、人間の問題解決はお名前通り「へのかっぱ」ですが、自分のプライベートの問題は全然お手上げ状態。
女の子にデレデレしてて、正義の味方業を忘れているし、悪者には負けちゃいそうになるし。正義のヒーローにも苦手な事やダメな部分ってあるのですね。
そんな風に、人が成長する場面のあんなことやこんなことをいろいろ想像しながら、
一人のサラリーマンが成長していく様子を想像できる、いたって現実的な示唆を含んだファンタジーです。現実離れしているようでいて、現実味がたっぷりあるという不思議なお話。
今日はいまいち元気がないな〜という時に、栄養ドリンク代わりにいかがでしょうか?
子どもよりも、大人に効きそうな気がします。