おばけ屋敷にやって来た男の子と女の子。女の子は面白がって、男の子を引っ張って入るのですが、これが実は本物のおばけたちの家。
おばけ達は、「最近、人間に会ってないねぇ、会いたいなぁ」とどことなくのんきな動機で、おばけ屋敷の看板を掲げたというわけです。
もともとおばけ達には、子ども達を驚かす気など全くないので、彼らの前に姿を現すことはなく、隣の部屋から様子を窺っているだけだったりするのですが、やっぱり気配は伝わるもの。
おばけ達と顔を合わせていないのに、子ども達はどことな〜く怖くなってくるのです。
出てくるおばけも、のほほんとしていて、ちっとも怖くないのですが、おばけの姿が描かれていない場面の「本当はこの家にはいるんだよ」という気配に、読者も怖くなってしまいます。
実際のおばけの姿を見るより、いない方が怖いというちょっと不思議な絵本です。