『神話』も菱木さんの手にかかると、こんなにも読みやすく想像しやすい世界になってしまうんだと感動しました。
神話ですから有名なギリシャ神話にも似ていますし、日本の古事記と似ているところも多々ありました。
もしかしたら菱木さんが邦訳・編集の段階でそのあたり(恋愛沙汰)の説明を省いただけかもしれませんが、他の神話に比べると、色恋のことよりも人と人との関わりあい…、しいていうと“どう勝ち抜いて生きていくか”ということに重点が置かれてる世界なのではないかと感じました。
ヨーロッパの昔話や物語には普通に巨人や小人の登場する物語が多いですが、この本の解説を後書きに書いてくださっている著者の菱木さんの言葉を借りますと、
それらのルーツの元にこの北欧神話があるようです。
『神話』とかいうものには仰々しくてちょっと手を出しにくい。と、考える対象年齢のお子さんたち(この本は小学校低学年からでも読めるように考えて作られています)もいるかもしれません。
そんなお子さんたち、または手渡しする周囲の大人の皆さん。
まずは菱木さんの後書きから読んでみてください。
たぶん多くの日本人が「北欧の神話」を身近に感じることができるのではないでしょうか?
(まさか、こんなに有名な児童文学の邦訳作家さんが「パズ&ドラ」や「進撃の巨人」をあげてくるとは思いませんでした(^_^;))
この神話の中にはもともと巨人族でありながら、アース神族〈ギリシャ神話でいうところのゼウス神の直系の仲間〉に加えてもらった“ロキ”という非常にずる賢くて自分本位の嫌な奴がいるのですが、この男が実はこの北欧神話の主人公ではないかと思うくらい重要人物です。
ページ数は『神話』を語っている物語と思えないほど少なく、文字は大きいので低学年でも読みやすいと思います。
読んで損はないと思います。
おススメの読みやすい神話の本です!!