作者さんの詳しいプロフィールが、わからないので、推測してみました。
作者さん自身か、作者さんの親御さんの小学生の頃のおはなしでしょう。
男子は全員坊主頭、女子はおかっぱ頭。
山あいということもあるのか、教室は薪ストーブ。
時代は、昼食時の様子から見て、戦後間もない頃でしょうか。
小学校の先生は、教壇から降りて来て、やはり生徒と遊んでくれる先生が一番ですね。
子どもたちの表情に、小倉先生に寄せる安心感と信頼がうかがえます。
食料事情も良くなかったこの時代、理科の授業でしょうか、「体の仕組み」について説明している時に、先生から発せられた「君たちは、人糞尿肥料会社社長なんだ」。
この授業が、作者さん(or作者さんの親御さん)にとっては、とても鮮明に記憶に残っている1時間だったのでしょうね。
ものは何もない時代ですが、みんなほとんど同じような生活状態で、取り澄まし無用な緊張感なんか抱かなくてよかった、子どもたちにとっては心の負担のない、良い小学生生活を送っていたんでしょうね。
先生も、今の時代に比べれば、ゆったり教室にいられる余裕のある勤務体系だったんだと思います。
サツマイモばかりを昼食に持ってくる松井君は、「ガス会社の社長もしているのか」っていう先生の最後のことばもあたたかく感じました。