キツネの毛並みとか、魚のツヤ感とか、妙にリアルなのに、キツネが子供みたいに泣いていたり、魚が妙に大きすぎたり・・・そのアンバランスさが迫力がありつつユーモラスな絵本です。
やっとのことで魚から出てきた3人組(?)がりんごを食べました、というなんてことない結末ですが、私はこういうストーリーは好きです。
さらっと読み流せるけど、部分的に美しいイラストや美しい言葉に立ち止まることができる。
なかでもいもむしを逃がしてやる場面で「外に出たら自分たちを助けてくれ」とか「自分たちのことを忘れないでくれ」とかではなくて、「外にでたら食べられないようにきをつけてね」と相手を気遣っているところがぐっときました。