「日本むかしばなしライブラリー」というシリーズの一冊です。
絵が飯野和好だったので、思わず借りてしまいました。
『ちからたろう』は、なんといっても、今江祥智・田島征三コンビの本家版が大迫力で素晴らしいので、飯野版とはいえ力不足ではと思いましたが、なんの、なんの。
やはりお話として天下一品に面白いので、こちらの本も十分に楽しめました。
また、今江・田島版と比べて、文章が簡潔で読みやすくなっていますし、絵が普通なので、迫力という点では劣るものの、“御堂”や“いしこ”など説明しなくても、一目瞭然になっていて、読んでいる方としては余計な気を使わずに済みました。
それにしても、やはり最初の垢で人形を作るシーンは凄いですね。
わかっていても必ず子ども達が反応します。
また6年生の娘は、
「えらいこどもを つくってしまったぞ。くちも きかずに ごはんばかり くいおって。」
「もう くわせる こめも ありません・・・・」
というおじいさんとおばあさんの会話のところで、必ずゲラゲラ笑いながら突っ込みをいれるのです。
「自分達で作って、自分達で百杯もご飯食べさせたんでしょう〜!」
ホント、見どころや突っ込みどころが満載の傑作昔話です。