教師時代の思い出の一冊です。
15年前、文化祭で、大型紙芝居シアターを企画した我がクラス。
紙芝居一枚が、ベニヤ板一枚の大きさでした。
作品選びを手伝わされました。
中国のお話です。
ちょうちんまつりを夜にひかえた日、王七は、畑仕事を早めの終えて、薪をさがしに山へ。
そこに、白いひげを生やした老人二人が碁を打っていて、見物をしている間に、…。
ちょっとした出会いで、100年単位の時間が流れ去り、取り返しのつかない事になった王七に、「長生きしたのだから喜ぶのが当然じゃ。」と老人(仙人かしら?)たちにいわれても、家族との再会と短い人間の生涯を切望する王七の姿に、共感し読みました。
家族との再会の為、必死な姿の王七に大人でも引き込まれます。
「『過去の窓』から、飛び降りて、先週の定期考査まで戻りたい。」と、笑っていたあのころの生徒たちも、もう30代になっています。
この絵本を、図書館ででも見つけて、自分のお子さんに読んでやって欲しいなと思いました。
あの時の、音響入りのナレーションのテープは、まだ持っています。
我が息子は、「こわっ、山でおじいさんに会ったら気をつけよう。」と、真顔で言っていました。