新刊
どうぶつのわかっていること・わかっていないこと

どうぶつのわかっていること・わかっていないこと(小学館集英社プロダクション)

「答えのない問いに向き合う力」をはぐくむ新感覚の絵本

  • 全ページ
  • ためしよみ

くまとやまねこ」 ママの声

くまとやまねこ 作:湯本 香樹実
絵:酒井 駒子
出版社:河出書房新社
税込価格:\1,430
発行日:2008年04月
ISBN:9784309270074
評価スコア 4.71
評価ランキング 1,419
みんなの声 総数 68
  • この絵本のレビューを書く

並び替え

49件見つかりました

最初のページ 前の10件 1 2 3 4 5 次の10件 最後のページ
  • どうしたら悲しみを受け入れられるの?

    • ランタナさん
    • 30代
    • ママ
    • 埼玉県
    • 男の子8歳、男の子5歳

    大好きな酒井駒子さんの絵。
    でも、この絵本はあまり読みたくありませんでした。
    子どもが生まれて、決して失いたくないものができたおかげで強くなったけれど、弱くもなりました。
    大切な人を失ったら、どうしたらいいのだろう。
    だから、私はシリアスな絵本はあまり近づけなかったのです。

    それが、東日本大震災が起きて、いろいろな戸惑いを経て、少し気持ちが変わり、読んでみました。

    くまが失ったことりを箱に入れて持ち歩く描写は、その美しさゆえに余計に読んでいてつらいものでした。
    学生の時読んだ、キューブラ―・ロスの死ぬ瞬間(死を迎える人は否認と孤立→怒り→取り引き→抑鬱→受容という気持ちの流れがある、といった内容)を思い出したりもして。

    くまが悲しみを受け入れられたのは、なぜだったのでしょう。
    なにがあっても流れていく時間、晴れた空、同じ悲しみを受け入れたやまねこの優しさ、音楽、ことりとの輝いていた思い出が消えないことに気付いたから、でしょうか。
    死が悲しいのは、それだけ生が素晴らしかった証拠なのですね。

    重いテーマを湯本香樹美さんが優しく丁寧な物語を紡ぎだし、
    酒井駒子さんが、生と死に通じるような、光と影を感じる黒っぽい絵で描きだしています。そして、少しずつ色づく印象的な赤。
    大人のための絵本の名作だと思います。

    投稿日:2011/08/23

    参考になりました
    感謝
    5
  • こんな素敵な絵本をありがとう

    先日、とてもとても私をかわいがってくれた思い出深い祖母が亡くなりました。
    実の父が亡くなった時でさえ涙が出ることがなかった私が
    この祖母がなくなって何週間か経った今も、
    祖母のことを思い出すだけで泣けてきます。
    そんな時に娘が・・・。
    娘よー、こんな泣ける絵本をどうして見つけてくるんだ・・・。
    友達の小鳥の死をどうしても受け入れられないくまさんが自分と重なり
    泣けて泣けて・・・。
    死と向き合うことが、淡々と描かれ、そして、柔らかな絵が包んでくれます。
    娘より、今の私に必要な本でした。
    娘よ、本を見つけてくれてありがとう。

    投稿日:2009/12/11

    参考になりました
    感謝
    3
  • 大切な人を失ったとき、再生のきっかけに

    • てんぐざるさん
    • 40代
    • ママ
    • 埼玉県
    • 女の子16歳、女の子11歳

    湯本香樹実さんの絵本!ということで、確か、出版されてすぐに飛びついて買いました。(なぜか、今まで感想は書いてなかったみたいです)

    絵は大好きな酒井駒子さんが描かれています。
    モノクロの絵の中で、おそらく主人公のくまにとって、とても大切なものとしてとらえているところだけが、赤く表現されている部分があり、印象的でした。
    小学生くらいの子どもたちにとって、「身近な人の死」はなかなかあることではないので、くまの気持ちを考えるのは難しいかもしれませんが、この絵本に触れることで、大切なものがいたはずの(心の)スペースの喪失感みたいなものは、受け取れるんじゃないかと思います。

    やまねことやまねこの奏でる音楽で心の再生ができたくまの未来が明るいものであることを祈りたくなります。

    この絵本は小学生くらいのお子さんでも読むことはできますが、私が個人的にお薦めしたのいのは、「大切な人」を失った人たちです。
    ただし、経験的に失った直後ですと、この絵本のくま君と同じで“何もする気がなくなる”し、本を読んでもそこに活字がある認識だけで、言葉として心に届かないことがあると思いますので、
    万が一、誰かを失って心が傷ついている人にこの本をプレゼントしたり、薦めたりするときは、直後ではなく、半年以上たってからがおすすめかと思います。

    投稿日:2011/08/16

    参考になりました
    感謝
    2
  • わすれなくってもいいんだよ

    「つらいだろうけど、わすれなくっちゃ・・・。」
    どれだげ、くまは傷ついたことでしょう。
    大切な人を亡くしてそれを受け入れるということは難しいこと。
    「忘れなくってもいいんだよ」って言ってあげたい・・・。

    出会ったやまねこは一緒に旅をしようと言ってくれます。
    ヤマネコにとって大切な人が使っていたであろうタンバリンを、くまが引き継いで・・・・。

    亡くなった小鳥と、タンバリンを使っていた大切な人は、くまとやまねこの心の中にずっと生き続けているのでしょうね。

    涙が止まりませんでした。
    久しぶりの温かい涙をいただきました。

    投稿日:2008/11/08

    参考になりました
    感謝
    2
  • 「夏の庭」と併せてオススメ

    • ももうさ♪さん
    • 30代
    • ママ
    • 北海道
    • 女の子3歳、女の子1歳

    子どもの頃「夏の庭」を読んで感動し、こちらの絵本も、長いこと気になっていました。
    さすが!という感じで、読んでみた結果は大満足。

    近しい存在の死を受け入れられなかったくまが、
    それを有りのまま受け入れてくれたやまねこの言葉で、少しずつ再生していく物語です。

    くまの暗く沈んだ気持ちを表すかのようなモノトーンの世界が、
    やまねこの言葉を聞くうちに小鳥との日々が蘇り、
    少しずつ色彩を帯びていく・・・という酒井さんの演出が素晴らしいです。

    ただ一点、
    命の灯火が消えた後、体はいつまでもそのままではいられませんよね。
    そこにほんの少し違和感を覚えましたので、
    読み聞かせしたり子どもが自分で読むには、
    体はいずれ朽ちていくんだと理解する年になってからがいいのかな、
    と個人的には思います。

    投稿日:2011/04/20

    参考になりました
    感謝
    1
  • 絵本屋さん大賞第一位

    • たれ耳ウサギさん
    • 40代
    • ママ
    • 群馬県
    • 女の子18歳、女の子16歳、女の子14歳

    毎日同じ朝が来るはずだった。仲良しのくまとことり。
    ある日突然それが途絶えた。ことりは逝ってしまった。
    くまは悲しくて悲しくてことりを箱に入れて花で飾って持ち歩く。
    その箱の中身を見た森の仲間は必ず言う。
      「つらいだろうけど、わすれなくちゃ」
    その言葉に傷つき、誰とも口をきかなくなったくま。
    ある日出会った山猫にくまは心を癒される。

    悲しみの底にいる人をなぐさめるのは難しい。
    誰も決してその人を傷つけようとは思っていないはず。
    でも言葉を間違えると心に鍵をかけてしまう。

    やまねこの発した言葉はインクの吸い取り紙のようにくまの悲しみを
    吸い取ってくれた。

    こんな風に生きたいです。ふんわりやさしい春の風。
    そんな存在になりたいです。

    MOE絵本屋さん大賞第一位であり、酒井駒子さんの絵だったので
    絶対読みたいと思っていました。

    酒井さんの絵はモノクロにもかかわらず、暖かみを感じます。
    この作品もほんの少しのピンクがくまの愛、やまねこの優しさを
    充分引き出しています。

    投稿日:2009/11/11

    参考になりました
    感謝
    1
  • ゆっくりゆっくり元気になればいい。

    • ぼのさん
    • 40代
    • ママ
    • 新潟県
    • 男の子15歳、女の子13歳、女の子8歳

    湯本香樹美さん×酒井駒子さんの、夢のコラボ☆
    昨年からずっと読みたいと思っていた1冊です。
    本屋さんや図書館でも、何度も目にしたのに、なかなか手に取る勇気がなくて・・・(汗)。
    やっと、「ええいっ!」と、借りてきました。

    想像通り、とても静かで美しい、心に沁み入る絵本でした。

    大切な人(この場合は、ことりですけど・・・。)との、突然の別れは、本当にせつないですね。
    今まで当たり前のように、そばにいた人が、突然いなくなってしまったら・・・???
    このくまのように、きっと、簡単には受け入れられないでしょう。

    森の動物たちも、本当はくまに早く元気になってもらいたかったのに、結局、くまをさらに傷つけてしまう。
    私自身、人づきあいが下手くそで、苦い経験があるので、胸がちくちくします。

    そう、ゆっくりゆっくり時間をかけて、ゆっくりゆっくり元気になればいいんだよね。
    モノクロの世界が、少しずつピンク色に変わっていくように、ゆっくりゆっくり・・・。

    やまねこの、さりげない優しさが、くまの心を動かしていく、ラストシーンが、すごく好きです。
    悲しい、暗い、辛い「死」を扱ってるのに、ぽっかり空いた大きな穴が、少しずつ、あたたかいものでうまっていく読後感。

    次女には、敢えて感想を聞かなかったけど、きっと、心に響いたと思います。
    長女や長男にも、ぜひ読んでほしい絵本です。
    (ちょうど、今週の生協のチラシに載っていたので、さっそく注文しちゃいました〜♪)

    この夏、ぜひ、「夏の庭」も読んでみたいです!

    投稿日:2009/07/08

    参考になりました
    感謝
    1
  • 死と向き合った先には・・・

    • Yuayaさん
    • 20代
    • ママ
    • 石川県
    • 男の子6歳、女の子3歳

    少し暗くなりますが、友人の死と向き合う事がテーマの絵本です。

    ある朝、仲良しのことりが死んでしまった・・・とショッキングな内容からお話が始まります。
    私も子供たちも「え!なんで!」と驚いてしまいました。
    まだ死というものを身近に感じた事のない子供たちだけれど、とても悲しい事なんだって事は理解しているようで、「なんで!?」と驚いたまま言葉が出なかったようです。

    なかなか友人の死を受け入れられないくまは、小さな箱に花びらを敷き詰め、それを離さず持ち歩きます。
    大切な人の死はそう簡単には受け入れられないもの。
    周りに、前に進もうと言われてもそう簡単に進めるものじゃない。
    深い悲しみに沈んだくまが、どうやって前を向けるようになるか・・・。

    くまの悲しい気持ちとことりを想う気持ちに、読んでいる自分も悲しく切なくなりました。
    大きな心の傷に、かける薬(言葉)は思い浮かばなかった・・・。

    やまねことの出会いにより、前に進んだくまの姿にジーンときました。
    思い出って不思議なものでいい事ばかり残るんですよね。
    ことりとの思い出を思い出す様子は、祖父を失った時の自分と同じでした。
    あの時は悲しくて悲しくて仕方がなかったけれど、今は「フフッあんな事あったな」って笑って思い出せる。
    今頃、くまもことりとの思い出に笑ったりしているんでしょうかね^^

    投稿日:2009/05/28

    参考になりました
    感謝
    1
  • 難しい題材だけど・・・

    • 多夢さん
    • 40代
    • ママ
    • 兵庫県
    • 女の子8歳

    悲しいはなしの絵本を手に取る時、いつも躊躇してしまいます。
    これを、子供に読み聞かせてもいいものだろうかと・・・
    確かに、一度は読んで欲しいとは思うけれど、
    わざわざ、私から進んで読むのはな〜。

    今回、友達からせっかく借りたので読んでみました。

    くまは、自分の話を聞いてくれる人が欲しかったのですね。
    自分と一緒に悲しみを共有してくれる友達がほしかったのですね。

    くまは、やまねこが自分を受け入れてくれたとき、どんなに嬉しかったろう。

    悲しんでいる人の心に寄り添うことがどれだけ大切か。
    改めて、身にしみました。

    読み終わった後、娘の反応が気になりました。
    でも、答えは「これ(えほん)、買って。」と、言ったのです。
    娘の心に何を残すことが出来たのでしょう。
    あえて、いつものように何も聞きませんでしたが、
    また、読んであげた時に気持ちを言うかもしれない。
    あるいは、何年も立ってから、話してくれるかもしれない。

    何かを感じ取ってくれたのは事実です。

    投稿日:2009/02/18

    参考になりました
    感謝
    1
  • 心の中が

    • ヒヨリママさん
    • 30代
    • ママ
    • 兵庫県
    • 女の子4歳、男の子3歳

    くまのことりとずーっと一緒にいたい気持ち、くまの中ではきのうと何も変わらない今日があってそこにことりがいない現実。
    妹を亡くしてしまった娘には気持ちが重なる部分があったのか最初はこの本を読んで欲しくないと言って避けていました。
    しばらく時間をおいて寝る前に読んであげると「くまさんもうさみしくないね」と読み終わった後に話してくれました。私自身ホッとしました。
    「妹が死んでしまった」という事実しかない彼女。
    そんな彼女の心の中にあるかわいい妹との短い思い出をたくさん膨らませていつか、くまのように前に進んで行って欲しいなぁと思う一冊でした。

    投稿日:2008/10/22

    参考になりました
    感謝
    1

49件見つかりました

最初のページ 前の10件 1 2 3 4 5 次の10件 最後のページ

※参考になりましたボタンのご利用にはメンバー登録が必要です。

この作品にレビューを投稿された方は、こんな作品にも投稿しています

はらぺこあおむし / まどから おくりもの / しろくまちゃんのほっとけーき / きんぎょがにげた / いないいないばあ / もこ もこもこ / ぼちぼちいこか / がたん ごとん がたん ごとん

絵本の人気検索キーワード

ぐりとぐら /  はらぺこあおむし /  バムとケロ /  こびとづかん /  はじめてのおつかい /  そらまめくん /  谷川俊太郎 /  ちいさなちいさな王様 /  いないいないばあ /  いやいやえん /  スイミー /  飛び出す絵本

出版社おすすめ



児童書出版社さん、周年おめでとう! 記念連載

全ページためしよみ
年齢別絵本セット