「なしのしん」 ママの声

言葉遣いや、詩のリズムが、昔の童謡を歌っているようで
懐かしい感じがしました。
絵のタッチは、かわいらしく、今風でもあるので、大人も
子どももやさしい気持ちで読むことができると思います。
タイトルになっている「なしのしん」、詩の始まりが
「なしのしんはすてるもの　だから　しんまで食べる子、けちんぼよ」
なのですが、なしのしんのあたりってすっぱいような感じであんまり
おいしくないのに、よく食べるなあなんて思ってしまいました（笑）。

金子みすずさんの詩は、子供の素直な気持がそのまま表れているなと思います。楽しくて笑うだけでなく、泣いたりいじわるしたりするのも子供です。はなし言葉のような文章は、声に出して読むと気持が自然にはいっていくようです。

子供は表紙のなしを「おっぱいみたい」と笑っていました。
繊細であたたくやさしい絵が、みすずさんの詩のイメージをふくらませていると思います。
読み終わるころには、ほんわかした気持になります。気分転換したいときに読んでもいいかな、と思います。

童謡詩人金子みすゞさんの作品から１５編が選び出されています。子供の心をとても繊細によみとり、ふんわりした優しい気持ちになります。どちらかというと大人向きですが、絵もとても優しいタッチで描かれているので、子供も楽しめると思います。