サトワヌ島の民話、とあります。
サトワヌ島とは、作者が在住したこともある、
ミクロネシア連邦のヤップ州、サタワル島の事のようです。
いずれにしても、南方の島のおはなしです。
南海の小さな島に、オレマーイと名づけられた男の子が生まれます。
オレマーイは驚異的な成長でたくましくなり、
かんしゃくを起こすと恐ろしい乱暴者になってしまったので、
村人たちは、オレマーイを殺してしまおう、と企てます。
ところが、パワフルな少年だけに、ことごとく失敗、
とうとう村人たちは、オレマーイを島の酋長にすることで落ち着くのです。
やはり見どころは、孤島に置き去りにされたオレマーイが、
そこの鬼、ヤニュウと力比べするところでしょうか。
ヤニュウの造形は、日本とは少し違って、興味深いですね。
ややあっけない展開ですが、オレマーイのきりりとした佇まいがなんとも爽快です。
なによりも、大人たちをひれ伏せさせる子ども、というのは、
聞き手も子どもたちにとっても嬉しい事でしょうね。