これは白ロシアの民話をもとにした絵本です。
「白ロシア」って、なんだろう。そんなの学生時代習ったかな?と調べてみたら、今の「ベラルーシ共和国」といわれている地区で、ロシアの西の端っこにあります。
ベラルーシはロシア(旧ソ連)とくっついたり離れたりしてきた歴史があって、なぜ「白」といわれているかというと、赤に対する共産主義を主張する「白」であること、人種的に白人種の地区であることが大きいようです。写真で見たら、冬の景色ということもあって、人も白いし風景も真っ白。さすが!「白」と名のつく地域だけあります。
たまたまうちの上の子が、歴史でも特にヨーロッパに興味を持っているので、この絵本を読んで、ベラルーシのことを説明してあげたらすごく興奮して喜んでくれました。
この絵本は、読んであげるなら4歳くらいからということですが、民話ということもあって、上限は関係なく楽しめる作品だと感じました。
昔話や民話にありがちな繰り返しがリズムよく、大半が農民という国民性から、「麦作り」を荒らされたおばあさんの、大きな悲しみがよく伝わってくる内容です。
とにかくスズキコージさんの画がすごい!!
ところどころに散りばめられた英字新聞も、おばあさんの黒いスカートの柄が、よく見ると宇宙の写真だったり、遊び心があって何度読み返しても楽しいです。
「パンのかけらとちいさなあくま(リトアニア民話、内田莉莎子著)」となんだか風景が似ているなと思ったら、リトアニアは白ロシアのすぐ隣の国なんですね〜。
1つの絵本からたくさんのことが見えてきて、とても楽しい絵本でした。今度ぜひ、小学校の子どもたちにも読みが立ってあげたいです。