植物を育てることと子育ては共通しているように言われることがあります。
手をかけなければ育たないし、手をかけ過ぎれば成長を損なうこと。
ひょんなことから、園芸部に入ることになった高校一年の篠崎、大和田、庄司。
この中では篠崎が普通の少年ですが、大和田は元不良少年。
庄司は教室に入ることができず相談室へ登校し顔を見られたくないために箱をかぶっています。
元々園芸に興味があったわけではない三人が、特に友情を育もうとしたわけでもなく、園芸を通じて関係を築いていきます。
関係は、ゆるーく相手の嫌がることにはあえて踏み込まないのが、今時の高校生なのかなと思いつつ、
それぞれに不器用な少年たちが悩みながらも成長していく姿が描かれていて、見方によってはぬるま湯的なのかもしれませんが、読んでいてある種の心地よさが感じられました。
私の興味は庄司がこのまま箱をかぶった少年として生きていくのかということでした。
大和田の単純な素直さにところどころクスッとしました。